フィリピン法人の株主構成と外資規制を解説【2026年最新版】

法人設立

フィリピンで法人設立を検討する際、多くの企業が最初に悩むのが「外国人だけで会社を設立できるのか」「フィリピン人株主が必要なのか」という点です。
実際、フィリピンでは業種によって外国人の出資比率が制限されており、事前に確認せずに法人設立を進めると、後から事業計画の見直しが必要になるケースもあります。

本記事では、フィリピンの外資規制の基本となる「外国投資ネガティブリスト(FINL)」と株主構成について、実務ベースで解説します。

フィリピンの外資規制とは?

フィリピンでは、外国人による投資や会社設立について一定の制限が設けられています。
その基準となるのが、Foreign Investment Negative List(FINL)(外国投資ネガティブリスト)です。
ネガティブリストには、

  • ・外国人の出資が禁止されている業種
  • ・外国人の出資比率が制限されている業種

が定められています。
逆に言えば、ネガティブリストに該当しない事業については、原則として外国人による投資が認められています。

2026年に第13次外国投資ネガティブリストが施行

2026年4月13日、マルコス大統領は大統領令第113号(Executive Order No.113)に署名し、第13次外国投資ネガティブリストを公布しました。
このリストは2026年5月2日に正式施行され、これまでの第12次ネガティブリスト(2022年版)に代わる最新版となっています。

今回の改定は、

  • ・小売業法(Retail Trade Liberalization Act)
  • ・公共サービス法(Public Service Act)
  • ・外国投資法(Foreign Investments Act)

など近年の法改正内容を反映し、実際の制度とネガティブリストとの整合性を図ることが主な目的とされています。
そのため、多くの日系企業が進出するIT・BPO分野については、従来と大きく状況が変わるわけではありませんが、進出前には最新版の確認が必要です。

よく聞く「60:40」とは?

フィリピン進出を検討すると、「フィリピン人60%、日本人40%にしなければならない」という話を耳にすることがあります。

これは一部の業種において、

  • ・フィリピン人資本60%以上
  • ・外国人資本40%以下

という規制があるためです。
ただし、これは全ての業種に当てはまるわけではありません。
業種によっては、

  • ・100%外資可能
  • ・60:40が必要
  • ・外資禁止

と条件が異なります。

100%外資で設立できる主な業種

日系企業から相談の多い業種では、以下のような事業が100%外資で設立できるケースが多くあります。

  • ・システム開発
  • ・ソフトウェア開発
  • ・ITコンサルティング
  • ・BPO
  • ・Web制作
  • ・デジタルマーケティング
  • ・一般的なサービス業
  • ・一部製造業

弊社がサポートしている案件でも、

  • ・オフショア開発会社
  • ・BPO事業
  • ・ITサービス会社

については100%外資で設立するケースが多くあります。

飲食店は100%外資でできる?

飲食店については、「飲食店だから60:40」という単純な話ではありません。
実際には、

  • ・資本金
  • ・事業内容
  • ・店舗形態

などによって条件が変わります。
そのため、「日本食レストランを出したい」「カフェを出店したい」という場合は、事前に個別確認することをおすすめします。

株主と役員は別物

意外と混同されることが多いのですが、

株主
会社の所有者

役員(Director・Officer)
会社の運営者
です。

例えば、

・Aさんが会社の株式を100%保有している
・Bさんが社長(President)として会社を運営している

というケースがあります。

この場合、Aさんは会社のオーナーですが、日常の経営には関与していません。
一方、Bさんは会社を運営していますが、株式を持っていないため会社の所有者ではありません。

つまり、
会社を所有する人(株主)と、会社を運営する人(役員)は別であることが多いのです。

フィリピン進出でよくある例

例えば日本企業がフィリピンに子会社を設立する場合、

株主
・日本法人 100%

役員
・日本人駐在員
・フィリピン人マネージャー

という構成になることがあります。
この場合、会社の所有者は日本法人ですが、現地での日常的な運営は役員が行います。

よくある誤解

「フィリピン人を役員に入れたから、その人が会社のオーナーになる」と思われる方もいますが、それは別の話です。

役員に就任しても株式を持っていなければ、その人は会社の所有者ではありません。
逆に、株式を保有していても役員になっていなければ、会社の日常的な運営には関与しないケースもあります。

名義株主はおすすめできない

昔は、「フィリピン人の知人に60%持ってもらう」という方法がよく使われていました。

しかし実際には、

  • ・株式を返してもらえない
  • ・経営権を失う
  • ・株主間トラブルになる
  • ・売却時に問題になる

などのリスクがあります。
実際に弊社へ相談いただく案件でも、設立後に株主構成が問題になるケースは少なくありません。

法人設立時には、「誰を株主にするか」だけでなく、「将来的にどう整理するか」まで考えて設計することが重要です。

フィリピン進出前に確認すべき3つのポイント

① その事業は100%外資で可能か

最も重要です。会社設立前に必ず確認しましょう。

② 必要資本金はいくらか

外資比率や業種によって条件が異なります。
設立後に増資することも可能ですが、最初に整理しておいた方がスムーズです。

③ 就労ビザ取得に影響しないか

外国人がフィリピンで経営や業務を行う場合、

  • ・AEP
  • ・9G Visa

などの取得が必要になるケースがあります。
会社設立だけでなく、その後の運営体制も含めて検討する必要があります。

iworksからのアドバイス

実際のフィリピン進出では、「会社を設立すること」よりも、
「どのような株主構成で設立するか」
の方が重要になるケースが少なくありません。

設立後に株主構成を変更することは可能ですが、手続きや費用が発生し、想像以上に手間がかかります。

そのため、

  • ・外資規制
  • ・事業内容
  • ・将来の増資
  • ・ビザ取得
  • ・パートナーとの関係

などを踏まえて、設立前に整理しておくことをおすすめします。

まとめ

フィリピンでは業種によって外国人出資比率に制限があります。
2026年5月には最新の「第13次外国投資ネガティブリスト」が施行されており、進出前には最新情報の確認が欠かせません。

特に、

  • ・100%外資で設立できるのか
  • ・フィリピン人株主が必要なのか
  • ・資本金はいくら必要なのか

は事業内容によって大きく異なります。

フィリピン進出を検討されている場合は、法人設立前の段階で事業内容に合わせた株主構成を検討することが重要です。

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